新聞がなくなる日
ネットでニュースが見られるような時代になっても、紙の新聞はなくならないと
言われてきたがそろそろそうも言っていられない状況になってきている。
著者は元毎日新聞の記者で内側からも外側からもじっくりと見てきた人だけあって
新聞の将来について分析する内容も興味深い。まずは1つの大前提と8つの仮説と
25の設問から始まっている。大前提とはもちろん一番の脅威であるインターネットで
ある。仮説で気になったのは、戸別配達制度の維持と地上波デジタルの完了である。
言うまでもなく、日本は戸別配達制度があったからこそこれほどまでに部数を
延ばす事ができたといえよう。
目立ちにくいが、全国で21000店舗もある。寺院の70000、コンビニの45000には及ばぬものの郵便局と小学校の23000とほぼ肩を並べ、交番・駐在所の16000をぐっと引き離している。
販売店の収入としては、新聞社からの配達料6500億円と拡張補助金1500億円に加えて
折り込み広告収入3000億円が入っているのでこれほどまでにきめ細かい展開が
できていた。さすがにこれもセットで購読してくれる読者が減れば維持できない。
もう一方の地デジについては、移行が完了する2010年が危ないと書かれているが、
実際には買い換えている人もたくさんいるし、地デジじゃなくてもEPG付のDVD
レコーダーであればそれを見て録画する人や雑誌もしくはフリーペーパーなどからも
テレビ番組表は参照できるので最早それほど必要とはされていないはずだ。
最後に本に書いてあるデータではないけれど、NHKが調査した内容によると30年前と
比較して20代と30代の新聞離れが著しいものの15年前の時点で既に20代に至っては
61%から33%まで低下していることがわかる。
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新聞を取らない理由としてあげられているのは、
- 自宅で読む暇がない
- テレビ/インターネットで十分
- 新聞代が高い
- 溜まった新聞の処理が面倒だ
- 駅かコンビニで買う
- 集合住宅のポストに取りに行くのが面倒だ
- サイズが大きすぎる
- インクで手が汚れるのが嫌だ
などともう完全否定にさえ近い。私自身は新聞を読んで育ってきたので紙の新聞に
慣れ親しんでいるし、嫌いではない。ただ、上記理由のうちの幾つかがあてはまるので
今は購読していない。取らない理由を補って余りある魅力が出てくれば、購読も
考えるが、時間にゆとりがあるときに駅で買うスタイルで十分に思える。
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