ロングテール
フリーが面白かったのでこちらも続けて読んでみた。かなり前の作品かと思ったが、2009年に出た
アップデート版なのでそこまで古いという感じはしなかった。ロングテールという言葉とグラフは
有名なので一度は目にしたことがあるだろう。
横軸に商品を人気の高さ順に並べると、グラフは左端で普通の需要曲線のようにはじまる。曲線のもっとも高いあたりでは、少数の商品が厖大な回数、ダウンロードされている。それから人気のない商品へと曲線が急低下する。でもおもしろいことに、その曲線はどこまで行ってもけしてゼロにならない。10万位位の商品までたどっていき、そこでグラフを拡大してみたが、1ヶ月あたりのダウンロード数はまだ何千とあった。
どこまでいっても0にならないということは、それを集めるとそれなりの商売になるということ。
仮にそれがわかったとしてもそんな膨大で無尽蔵な在庫を持てる会社は存在しなかった。
実に長い間、僕たちは大衆の最低水準に合わせた商品を押しつけられても堪え忍んできた。夏休み向けのくだらないヒット映画や安っぽいポピュラー音楽にも甘んじてきた。それが経済的だからだ。
今振り返ると確かにその通りなんだけど、当時はそれが当たり前だというあきらめにも似た気持ちで
過ごしていたと思う。段々と作り出されたヒット作から離れていくようにはなるのだけど。
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少しわかりにくいが、今までは「予測」していたものを「後で増幅」するようになってきたと
いうことで上記の表が出ていた。じっくり見るとなるほどと思えるものばかり。現在では
後置フィルタが何かを買う際の主要な条件となっているのに対して、前置フィルタはまだ
のこってはいるものの昔と比べると重要度は明らかに薄れている。
- ずっと数多くの商品を提供できる。
- 商品を見つけるのが(レコメンデーションなどのフィルタのおかげで)ずっと容易になるので、ヒットとニッチの売上がより等しくなる。
- ニッチの経済性はヒットとほぼ変わらないので、人気のよしあしにかかわらず利益を見込める。
在庫コストを限りなく低く抑えられれば、ニッチな商品でも売れるというわけか。
400ページを超える作品でかなり読み応えがあった。
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