となりのクレーマー

もはやすっかり日常的に使われているクレーマーという言葉。著者は百貨店のお客様相談室を担当して
いたということで、相当な件数の苦情を処理してきている。職業柄ストレスも当然溜まるのだろうが、
交渉術として「苦情学」にまで昇華させているところが素晴らしい。


本書ではなんと4分の3程度を第1章の具体的事例で占められており、様々なクレーマーが登場する。
極端な例とまではいかないのかもしれないけど、そんな実例への対処がよくわかり参考になる。
第3章の技法では、基本的な対応がまとまっていた。

  1. 非があれば、真摯な態度で謝罪をする。
  2. お客様の申し出は、感情を抑え素直に聞く。
  3. 正確にメモを取る。
  4. 説明は、慌てずに冷静に考えてする。
  5. 現場を確認する。
  6. 対応は迅速にする。
  7. 一般の苦情客を、クレーマーに仕立てない。
  8. 苦情対応は平等に。

確かにこのあたりの基本的なことがわかっていない人がお店側にも増えてきているので普通のお客さんまで
クレーマーになってしまうケースが多いような気がする。現場の対応とあまりにも差があるかもしれない。
最近ではサービス業にとどまらず、モンスターペアレントに対応する必要がある教師や競争の激しくなってきた
歯医者などでも準備をしておく必要があるようである。

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)

中央公論新社 2007-05
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