満員電車がなくなる日
本書は満員電車をなくすことはできないのか、なくすためには具体的にどんなことをしなければいけないか
というところを様々な具体策をもって解決の方向へと導こうとしている。首都圏に住んでいるビジネスマン
であれば誰しも日々の満員電車に苦労しているはず。とはいえ大多数は仕方ないものだという諦めにも似た
気持ちで乗っているのが実情である。対策といってもみんなに時差出勤を促す「東西線早起きキャンペーン」
のようなものがあるにすぎない。満員電車をなくすための、運行方法のイノベーションとして4つ挙げている。
- 信号システムの機能向上
- 総2階建て車両
- 3線運行
- 鉄輪式リニア
- 実現可能な輸送力増強量
どれも専門的で一言で説明するのは少々難しい。最もわかりやすいのが2番目の総2階建て車両だろうか。
そこで、ここで提案する「総2階建て車両」とは、1階と2階を車内の階段で結ぶのでなく、それぞれが完全に独立した
別々の客室にするものである。扉の数も上下それぞれ片側当り3つまたは4つとして、乗降時間が掛からないようにする。
それにより、床面積を純粋に2倍にできるつくりだ。
乗降時間も短縮できるし、床面積も単純に倍となる。良いことばかりだけれど、実現するには別々のホームを
作ったり、2階乗降用のエレベーターを設置するといった工事が必要になるとのこと。ダイヤを如何に守れるように
様々な部分で予防していくことが必要だと感じた。満員電車をなくしたいという著者の熱い気持ちが伝わってきた。
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