続 北の火の山

まだ知床が世界遺産に登録されるずっと前の中学生くらいのときに、知床、摩周湖屈斜路湖などを
3泊4日で旅行した。記憶も薄れてしまったけれど、やはりよく覚えているのは霧の摩周湖が晴れた姿を
見せたときとクッシーが出ると言われていた屈斜路湖が意外と大きかったことくらい。


本書は北の火の山として、朝日新聞道内版に連載されていたシリーズの第3作目である。第1作目では
駒ケ岳、有珠山樽前山十勝岳雌阿寒岳。第2作目では渡島大島恵山、倶多楽、恵庭岳、大雪山
丸山。そして今作ではアトサヌプリ、摩周岳、知床硫黄山羅臼岳が含まれている。著者である小池記者が
全てに登って取材しているだけあって臨場感が伝わってくる。

摩周湖畔にそびえる標高857メートルの摩周岳に登ったのは、97年10月中旬だった。山頂までの実質高低差は約310
メートルで、当初はかなり楽な登山に思えた。だが阿寒国立公園川湯管理官事務所では「私たちは片道約三時間を
見ています」といい、同行してくれた勝井義雄札幌学院大教授も「意外に手間取る」と注意した。同展望台からの
高さはたいしたことはないが、間近に見える爆裂火口の縁まで片道7.4キロもある。

神の山に登るには片道3時間かかるようである。摩周湖の透明度は1931年には41.6メートルあったが、2004年の
調査では19メートルまで悪化しているようだ。流入・流出河川がないことから湖でないことは知っていたけど
法的には水たまりというのは知らなかった。


続・北の火の山 (摩周・知床編)続・北の火の山 (摩周・知床編)
小池 省二

中西出版 1999-06
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