京極夏彦 絡新婦の理わり

 1年がかりで「絡新婦の理わり」を読み終えた。別にそんなに時間がかかったと
いうわけではなくしばらくそのままになってしまってなかなか読む機会がなかったと
いうこと。文庫本なのに1400ページと分厚い。200ページくらいまで読んでそのままに
なっていた。1ヶ月くらい前から再開してそれからは一気に読んでしまう。
この作家の本を読み始めてからかれこれもう4年くらい経つだろうか。薦められて
読んでみると自分にあっていた。内容的には推理小説というか相手を言いくるめると
いうか時代設定としては昭和二十年代の戦後。あまりそんな感じはしない。奇怪な
事件に対して、小説家、探偵、刑事、古本屋兼陰陽師が真相の解決に挑む。
タイトルに妖怪が含まれているものの本当に出てくるわけではなく、人間の精神や
混乱した状態について明快な説明を滔々と述べることによって、憑き物を落としていく
ストーリー。凄いのは次から次へと知らないことがぽんぽん出てくること生きていく
うえでは必要ないのかもしれないけどそういうことなんだと納得することもしばしば。
「禅」についての考えなんかはよくわかった。
はまる人にはかなりはまると思われるので分厚いからといって敬遠せずまずは読んで
みて欲しい。幸いなことに一冊目は薄い。確か800ページくらい。