葬式はいらない

結婚式を何度もする人はそれほどいないけど、葬式は1回がまず普通だろう。生前に遺言でも
していない限り、残された人が行なうものだから最低でも人並みにという感じになることが
多いように思う。

財団法人日本消費者協会が2007年に行った「第8回葬儀についてのアンケート調査」の結果では、葬儀費用の全国平均は231万円である。

ちなみに3年後の第9回では全国平均で1,998,861円という結果であった。少し調べてみると
「月間消費者10月号」のレポートのサンプルはたったの294人であり、全国平均というには
ちょっと微妙なデータではある。とはいえ100万〜200万くらいは普通にかかりそうなイメージが
一般的にはある。

葬式にいくら費用をかけても、何かが残るわけではない。祭壇はすぐに壊され、棺も、いくら高価な材料を使っても、火葬されれば、ただの灰になる。飲食もそれを楽しめるわけではないし、香典返しも、カタログから商品を選ぶシステムが広がっているが、果たしてそれが必要なのか、疑問を感じることも少なくない。

棺はそれなりに意味があるような気がするけど、祭壇は確かに勿体無いな。香典返しのカタログは
本当に意味がわからない。海苔やお茶でよいのではないか。

一般に戒名はなくなったときに授かるもので、長いほど、つまり字数が多ければ多いほど立派だと考えられている。とくに院号のついた戒名はランクが高いとされているが、じつはその上がある。それが「院殿号」のついた戒名で、居士の場合もあるし、大居士の場合もある。女性なら清大姉となる。

葬儀費用はさておき、戒名のランクにより相場があるというのはなんだか不思議な感じである。
比較することもないだろうけど、これも人並みにとかなるべく長いものをという感じになって
しまうのだろうか。

葬祭業者に依頼して、直葬または小規模な家族葬にしてもらう場合、費用は最低で10万円である。一般的には20万円から30万円程度である。葬祭業者は、施主の要望に応じられるよう、いくつかのコースを用意しており、たいがいはそこから選択する。

とは言っているものの自前でやるのはやはり難しいようである。

ただ、現実的に考えた場合、祭壇や遺体搬送を自前でやるのは相当に難しい。死は突然にやってくるもので、仮に寝た切りの高齢者であっても死亡時期は予想できない。

葬儀一式費用 127万、寺院費用 51万、飲食接待費用 45万が平均でかかるとすると、寺院費用と
飲食接待費用をどこまで抑えられるかというのがポイントのようだ。現実問題として地方や
時代による変遷でまだまだ変わってくるとは思うので、内訳としてどのようなものが必要なのかを
理解しておくだけでも有用だといえよう。


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