はい、泳げません

泳げなかった著者が泳げるようになるまでの記録。この著者だけにもちろん習うより慣れろ
といった展開になるわけがなく、頭で理解できるまで突き詰めている。私自身もさほど長距離を
泳げるわけではないので、途中からはなるほど確かにそうだよなあという風に納得させられる
部分も増えてきた。

東京体育館などでは泳ぐ人を励ますために、毎日泳いだ距離を陸上に換算し「山手線一周」などと認定しているが、私は「電車に乗ればよいのに」と思ってしまう。

確かに電車に乗ればよいと思う。

「泳げるか、泳げないかは自分で決めることです。たとえ1mでも自分で"泳げる"と言う人が"泳げる人"なんです」桂コーチがそう言っていた。私は最早「泳げない人」ではないが、「泳げる人」にもなりきれていない。果たしてどうすればよいのか。よくよく内省すると、そもそも私は泳ぎたいと思っていないことに気がついた。

そして結論はいつものような感じでまとまっていく。泳ぐことだけしか書かれていないので
他の作品と比べると若干物足りない部分があるかもしれない。


はい、泳げません (新潮文庫)はい、泳げません (新潮文庫)
高橋 秀実

新潮社 2007-11
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