日本人が行けない日本領土

昨年くらいから尖閣諸島竹島問題でようやく多少は世間一般の認知度も上がってきたが、まだまだ
日本人の領土に対する意識は希薄である。山本氏のことはSAPIOで定期的に連載されていたので何度か
読んだことがあった。そんな著者が一般のひとにはなかなか行くことのできない島に上陸して、
現在置かれているそれぞれの島の真の姿を教えてくれる。紹介される島々は、北方領土竹島尖閣諸島
南鳥島、沖の鳥島である。

日本人である私の周りには、常に4,5名の海洋警察官たちが遠巻きになって監視していた。カメラ1台を懐に抱え、目立たぬようにシャッターを切った。

韓国からは観光船で4時間かけて向かうことができるようだ。観光地化したり、鬱陵空港なるものを
今後は建設しようとしていることからも、日本より遥かに領土に対しての政策は明らかである。

竹島北方領土への渡航に対し、日本政府は「日本人が外国(韓国、ロシア)経由で渡航すれば、相手国の領土であることを認める行為となる」として渡航自粛を強いている。事実、ソ連(当時)経由で日本人ジャーナリストとして初めて北方領土択捉島に上陸した際、私は外務省幹部から「そんなことをされては困る」と"厳重注意"を受けたことがある。

確かにそうかもしれないが、外務省なり政治家が危機意識をもって動かない以上、マスコミや
ジャーナリストや警鐘して世論を高めていく以外に動かす方法はないだろう。竹島については、
新たな証拠が見つかったのが記憶に新しい。
http://d.hatena.ne.jp/roundtable/20100824


沖ノ鳥島については地図の上でしか見たことのない島である。行こうとしても普通の人が
いけるわけもなく、行けたとしても船で3日間揺れ続けるという時点で到底行くことなど
叶わない。満潮時には16cmしか現れない領土にチタンネットで厳重に保全されている。
http://www.nippon-foundation.or.jp/ships/topics_dtl/2007956/20079561.html


文章はもちろんのこと、カメラマンなので切り取られた瞬間の一枚一枚が初めてみるものが
多く、非常に印象的であった。


日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記
山本 皓一

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