最悪

零細企業の社長、銀行員、ちんぴら崩れといったあまり接点が見出せない3人が運命の悪戯で
すれ違うというか引き合わされる。このストーリーだけで小説というよりもなんだか映画のあらすじ
みたいな印象を受けた。それぞれの登場人物の描写はかなりリアルであり、序盤からぐいぐいと
引き込まれる。ただ、しばらくすると後半への流れが予定調和の如く予想できて、最後までその
予想は裏切られなかった。


全てを読み終えてから最悪と感じるのではなく、次から次へと最悪な気分にさせてくれるような
展開が待ち受けているのは著者が狙いとしたところであろうか。未読作品はまだまだあるので
ゆっくりと楽しみたい。


最悪 (講談社文庫)最悪 (講談社文庫)
奥田 英朗

講談社 2002-09-13
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