続巷説百物語

2005年には文庫になっていたものだからかれこれ6年も積んでおいたわけである。というのも
1作目の巷説百物語の読後感で今一つこの世界観に溶け込めなかったからであろう。恐らくは
通勤途中で読んでいたせいで、細切れの読書であまり集中して読めなかったのかもしれない。


最近ではそういったことも考慮に入れて、小説、ノンフィクション、新書などの読むべき場所を
決めていることが多い。この作品はある程度まとめて読みたいということもあるけど、一番のポイント
としては750ページもあるし、重いので家で読むことにした。


このシリーズは仕掛けを作って妖怪の仕業に見せかけて物事を丸く収めるというストーリーである。
百鬼夜行シリーズのように取り付いている憑き物を落とすのとは正反対だともいえる。
今回はその仕掛けにすっかりと引き込まれてしまって、一気に読み終えた。6つの短編からなっているけど
それぞれがつながっているので、最後まで読んでみると実は長編である。物語としては謎も明らかに
なって終わる。しかしながら、晴れやかというわけにはいかず寂寥感のようなものが残る終わり方であった。


続巷説百物語 (角川文庫)続巷説百物語 (角川文庫)
京極 夏彦

角川書店 2005-02-24
売り上げランキング : 16030

Amazonで詳しく見る
by G-Tools