資本主義崩壊の首謀者たち

持丸長者はしばらく積読になりそうな中、新書が出ていたので買ってみた。どこの本屋に行っても平積み
されているので結構売れているようである。著者の特徴でもある系図は、リーマンブラザーズ創業一族と
ロスチャイルド家の全ユダヤ金融の2枚と少ないものの写真、グラフ、新聞の風刺漫画の使い方が絶妙で
非常にわかりやすい。赤い楯のときは登場人物が既に過去の人であることがほとんどであったが、今回は
アメリカのウォール街や政権の中枢にいる人ばかりで生々しい。

オバマの支持率は高くても、閣僚に対する支持率はずっと低いのです。その幻滅の日の到来をずっと早くから
予言していた漫画が、オバマの大統領選挙勝利の二日後に”ニューヨーク・タイムズ”に掲載されました。
エイブラハム・リンカーン大統領が、「君なら、すべての人をだまし続けることができるだろう」と、
歴史の奥からつぶやいています。

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実際に政権移行経済顧問委員会に就任したメンバーが、ポール・ヴォルカー*1、ローラ・タイソン*2
ウィリアム・ドナルドソン*3ロバート・ルービン*4、ローレンス・サマーズ*5
などの面々であり、彼らに選ばれた財務長官がティモシー・ガイトナーというのだからもう大統領が大きく
変わったからといって、結局は同じ人たちの中で順送りに動かしていっているといっても過言ではない。
日本ではさすがにそこまで露骨ではないような気がする。


資本主義崩壊の首謀者たち (集英社新書 489A)資本主義崩壊の首謀者たち (集英社新書 489A)
広瀬 隆

集英社 2009-04-17
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*1:第12代FRB議長、新生銀行アドバイザー

*2:クリントン政権の経済諮問委員会議長、モルガン・スタンレー

*3:クレディ・スイスに2000年買収された投資銀行ドナルドソン・ラフキン&ジェンレットの創業者

*4:ゴールドマン・サックス会長、財務長官

*5:財務長官、ハーバード大学学長