逆説の日本史11

豊臣秀吉には指が6本あったというところから始まる今回のシリーズ、最初から最後まで
秀吉尽くしである。如何にして天下をとったかということと朝鮮出兵についての壮大な
構想と意図についても詳細に書かれていて面白い。指についてはルイス・フロイス
「日本史」や前田利家の「国祖遺言」などにも右手の親指が2本あったと書かれていると
いうことでほぼ間違いないのだろう。

前田利家は、豊臣秀吉と極めて親しい間柄であった人物であり、その人物が回想録で語っている。
そして、それが「反秀吉」の立場にいるフロイスの証言と一致する。この二人は、言うまでもなく、
秀吉自身と何度も対面している。

最終章である第5章太閤の外征編では、180ページに及ぶボリュームで秀吉の大陸進出がその当時では
それほど荒唐無稽なことではなかったことが明らかになる。世界情勢というか力関係を見極められれば
もう少し違った歴史もあったのかもしれない。スペインの無敵艦隊アルマダで負けていなければとか、
スペイン海軍の協力を得られていればといったたらればを思い描くのもまた面白い。

逆説の日本史(11)戦国乱世編 朝鮮出兵と秀吉の謎 (小学館文庫 い 1-18)逆説の日本史(11)戦国乱世編 朝鮮出兵と秀吉の謎 (小学館文庫 い 1-18)
井沢 元彦

小学館 2007-06-06
売り上げランキング : 2445

Amazonで詳しく見る
by G-Tools