いるの いないの

新刊.netでチェックしていなかったら多分気がつかなかったかもしれない。岩崎書店
怪談えほんシリーズ。ラインナップとしては以下の5作品が刊行済み。

「悪い本 宮部みゆき・作/吉田尚令・絵」
マイマイとナイナイ 皆川博子・作/宇野亜喜良・絵」
「いるの いないの 京極夏彦・作/町田尚子・絵」
「ゆうれいのまち 恒川光太郎・作/大畑いくの・絵」
「ちょうつがい きいきい 加門七海・作/軽部武宏・絵」

京極さんの「いるの いないの」を買ってみた。次男にはちょっと早いかもしれないけど、
長男は少し自分で読めるようになってきたから丁度良いかもしれない。


先ずは自分で読んでみたら、絵本だけに絵がよい味を出していると感じた。田舎の祖父母の家に
小さい頃に泊まりに行ったこととか、そのときに何か得体の知れないものがいるような気がした
思いなど誰もが持っているような原風景に働きかけるような内容であった。そして、シンプルで
巧い怖がらせかたであった。きっと幽霊じゃないと言っているのだろうなと思っていたら、
しっかりインタビュー記事に出ていた。

大人は……何とも思わないんじゃないですか。だって不思議なことは何も書いていないですよ、いつものことですが。(中略)怪談は幽霊を出せばいいんだ、みたいなことをおっしゃる方もいらっしゃるんだけれども、子どもは幽霊を知らないですよ。怖いという感情はあるわけだけど、幽霊だから怖いなんて思うのは、いらない知恵がついてからのことです。いらない知恵をつけるのは、まあ大人ですね。

宮部みゆきの「悪い本」もちょっと気になってパラパラと読んでみたのだけど、大人ならまだしも
子供に読ませるにはちょっとという本当に怖い内容だった。おばけの怖さとは違う類の怖さである。
「悪い本」に対する京極さんのコメントがまた面白い。

翌日が大沢オフィスの会議だったので、最初に京極(夏彦)さんに見せたんです。そうしたら「怖いです。何が怖いって作者が怖い」って(笑)。

わが家の兄弟は「いるの いないの」を怖がるのか反応が楽しみである。


いるの いないの (怪談えほん3)いるの いないの (怪談えほん3)
京極 夏彦 東 雅夫

岩崎書店 2012-01-28
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怪談えほん
怪談えほん |『いるの いないの』京極夏彦 町田尚子 東 雅夫