まんが パレスチナ問題
複雑でわかりにくいと思われているパレスチナ問題を限りなくわかりやすく書いているのが
本書である。まんがといっても挿絵が入っているくらいなので「絵解き パレスチナ問題」といった
感じであろうか。イスラエルに関しては興味があって、大まかな部分は把握しているものの
中東戦争以前の特に建国時の状況に関してはあまり把握していなかったので改めて勉強になった。
同じ神が話したことを基にした宗教だから、似ていて当たり前だニャ
三宗教の共通点と相違点の中でユダヤ教とキリスト教というのはわかるけど、表にしてみると
イスラム教に関しても非常によく似ていた。先入観にとらわれていると気がつかないものである。
ヘルツル*1はシオニストの会議を開き、組織を作って、ユダヤ人国家を建設する土地を提供してくれるよう、列強と交渉した。アフリカのウガンダや南アメリカのアルゼンチンが候補に挙がったけど、ユダヤ人たちにはパレスチナ以外考えられなかった。
シオニズム運動では現在のイスラエルの場所以外も検討されていたとは。ウガンダに建国されるのは
さすがにイメージが湧かない。
アリ:土地はどうやって手に入れたの?
ニッシム:世界的なユダヤ系財閥のロスチャイルド家なんかが買ってくれたんだ。
ロスチャイルド家の執事:ご主人(エドモン・ロスチャイルド)様は、アラブの不在地主から、パレスチナで一番肥沃な土地、戦略的に重要な土地を買い上げられました。
鉄道王ジェームズ・ロスチャイルドの息子。この系統で南アフリカのデビアスにつながって
いくというのは赤い盾で読んだ。まんがとはいえじっくり読むとかなり読み応えがあった。
あまりこの手の話に興味がない人でもよい取っ掛かりになるのではないだろうか。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/テーオドール・ヘルツル
*1:テオドール・ヘルツル