フロスト気質(上)

やっと発売された4作目ということで勿体無くて2年くらい積んであった。ノンフィクションばかり
読んでいたので、そろそろ読みたいと思い読み始める。期待通りで面白い。今回は上下巻に
分かれたので、上巻を読み終えてもまだ事件が次々と発生して発散が止まらない。下巻でどのような
形で収束するのか楽しみである。


とはいえ、見どころは犯人探しというよりも普段のふるまいやマレット署長との痛快なやりとり。
フロストがなんだかんだ言ってもみんなから慕われているのが前作までより一層感じられた。
ついにやりとしてしまったのが、以下の2場面。


午前4時にバスが来ないと言って入ってきた老女を署長に送らせた後のウェルズとの会話。

「おい、署長にはちゃんと言ったんだろうな、ジャック?」
フロストは眉根を寄せた。「言うって何を?」
「エイダのことだよ。車に乗せると、失禁しちまう癖があることだよ」
「ほんとか?」フロストはさも驚いたように言った」


フロストに極上の葉巻を勧められて、厳しくし過ぎているかもとつい反省しそうになる署長。

マレットは吸いかけの葉巻を手に取り、赤々と燃える先端を魅せられたように見つめた。
「実に香りのいい葉巻だね、フロスト警部。どこで入手したものだね?」
「コードウェル(スーパーマーケットの経営者)の葉巻入れからくすねてきたんですよ、あの威張りくさったちんちくりんの猪豚がこっちをみてないときに」とフロストは言った。

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