夢 ワイン

お酒の中では、日本酒が一番好きである。ワインも好きなのだけどあまり知らないのでそれほど
こだわりはない。価格がピンキリでよくわからないのと高級なものになると少々敷居が高い感じがするので。
この本ではワインの薀蓄がどうというよりも江川氏の野球人生やワイン人生について真剣に語っている。
もちろんその中でワインに関しての話も出てくるけれど、ワインの名前が幾つも出てくるというわけ
ではなく、ワインとの関わりやどのようにしてワインの魅力にとりつかれるようになったのかが
詳細に描かれていて好感が持てた。

結果を予測すること---僕の野球解説の流儀が、赤ワインにも当てはまる。野球の場合と大きく違うのは、予測がはずれるケースが多いことだ。ワインについても、僕はあらゆる資料を読んで、データを頭にインプットする。産地とか年代とかを調べていくと、このワインはこういう味がするはずだ、とおおよその見当がつくようにもなる。自分が実際に飲んだものなら、映像と味が一体となって確実にインプットされているから、一層確信をもって予測できる。


産地や年代をインプットして味まで記憶していても、違ってくるのか。
原因としては以下の3点が挙げられるようだ。

  • 瓶詰め段階でのコルク栓の打ち方の強さ・・・酸化されることによる劣化
  • 流通過程・・・揺らされて運ばれることによる劣化
  • 保存方法の違い・・・常温で保管されることによる劣化

若いワインしか飲まないのであまり気にしたことはないけれど、飲み頃はいつかというのは難しい。

白ワインの場合はそれほど難しくはない。瓶詰めしてから味がほぼ横ばい状態だし、たいていは3年ぐらいで飲み頃を迎え、5,6年目に寿命を終える。だが、赤ワインはそうはいかない。瓶詰めしてからも成長を続け、ピークを目指して徐々に上がっていく。

出来がよくないと5〜6年後、非常に出来がいいと20〜30年後などヴィンテージ・チャートと睨めっこしながら
考えないといけないようだ。

夢 ワイン夢 ワイン
江川 卓

講談社 1997-06
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