ミュンヘン
この映画は、ミュンヘンオリンピック事件後に行われたモサドによる報復を描いた
ノンフィクション作品である。ブラックセプテンバーによるテロの結果として11名もの
死者を出した痛ましい事件。スピルバーグ作品ということである程度、展開は予想して
いたが、その期待を良くも悪くも裏切らないような作品であった。序盤はスパイ映画の
ような展開で緊張感が伝わってくるような感じ。
2時間を過ぎると一転間延びしたような間隔を覚える。主人公の心の葛藤やパレスチナ問題に
対する主張が伝わってこない。事件の回想シーンが時々フラッシュバックのように出てくる
のであるが、主人公が体験したことでもなくて、あくまでも想像なのにこのような状況で
あったかのように映画を観る者に刷り込まれてくる。どうもイスラエルの人質が殺されたのは
パレスチナ人ではなく、ドイツの狙撃兵みたいだし。パレスチナを叩き、国際世論を味方に
つけようとしたと言われても仕方がないかもしれない。それにしても5人のチームといっても
みんな素人ばかりでとてもじゃないが彼らだけで遂行できたようには思えなかった。
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