数学アタマのつくり方

 数学に取り組むということは、試行錯誤するということである。そうした
レーニングは仕事での局面においても生かせるということが書かれている。
要は数学では幾つもの問題を記憶しておくことで、初めての問題に直面しても
複数の解法を組み合わせることによって解答を導き出すことができる。
仕事でも知識を溜めておいてそれを必要な局面で試行することで解決策を
見出していくというスタンスでは同様だということなのだろう。数学というか算数は
社会に出てからも気がついていないだけで、意外と必要とされている。


例えば、買い物のおつり。コンビニではおつりの計算ができない人が多い。
別に暗算しろというわけではないが、明らかに少なすぎたり多すぎることは感覚的に
わかって欲しいものである。50円や500円でもらおうと端数を出しておつりをもらおうと
すると大概一瞬戸惑われてしまう。レジのおつりを見て納得してくれる人はまだいいが。
先日はレジでおつりが910円と表示されているにもかかわらず、810円のおつりですと
ご丁寧に言われてしまった。ここまで来ると算数の次元ではないが。


それとよく出てくるのが宝くじなどである。これも数学アタマがあれば胴元の取り分や
確率的にどの程度回収できるかの皮算用が瞬時にできるだろう。
本書で残念だったのは、そのアタマをどう作るかというところで中学や高校の勉強を
やり直せということであった。1ヶ月程度で勘は取り戻せるかもしれないが、今から
そこまでやる必要があるかは甚だ疑問。おつりを毎回計算している人や数字が好きな
人はあまり気にする必要がないかと。

仕事力がつく!数学アタマのつくり方仕事力がつく!数学アタマのつくり方
和田 秀樹

日本実業出版社 2002-07
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