アフターダーク

 文庫が出たので読んでみた。いつもは「僕」の視点から語られることが多いが、
今回は第三者の視点から語られているのであまり感情移入することができない。
2つの場面が切り替わる手法をとっているが今一つバランスに欠けていたり、
登場人物の性格の対比を描くことであるメッセージを出しているのは感じられたが、
その他の場面については結果的に何も語られぬまま置き去りにされてしまっていた。
それ自体が狙いなのかもしれないけれど、その意図を努力して読み解こうとしたが
難解であった。相変わらず巧みな比喩が随所に散りばめられているのを味わえるのは
とても嬉しい。

アフターダークアフターダーク
村上 春樹

講談社 2004-09-07
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