スポーツを「視る」技術

 4年前に出た本なので少し古いが、丁度4年前のワールドカップの頃の話も出ていたので
非常に興味深く読めた。著者の二宮清純氏は雑誌・テレビなどでは見たことがあるものの
記事についてはほとんど初めて読んだ。スポーツライターとして活躍しているだけあって
やはりスポーツに対しての見方が深いというか視点が異なっていることに気づかされた。
野球を見なくなってから久しくなるが、西武の和田といえばキャッチャーだったなあという
認識だったので伊原監督が適正をみて転向させていたのだと知って驚いた。この伊原監督は
コーチとして実績を積み、監督になった珍しいケースである。コーチ時代のエピソードで
語り草になっているのが日本シリーズで見せた秋山のセンター前ヒットで辻を1塁から本塁に
返したケースである。これはクロマティの緩慢な守備にだけ目をつけていたわけではなく、
中継に入る川合が辻に一瞬でも目をやるかどうかがポイントだったという。このときの
コーチが監督になったのだから西武も強くなって当然であろう。その他、ジーコやジャンプの
原田、広島の前田について書かれている。楽しんで読めた。

スポーツを「視る」技術スポーツを「視る」技術
二宮 清純

講談社 2002-10