さみしい男
割と新しい新書がいくつか転がっていたので読んだ。今どきの男がいかに弱いかと
いうことをカウンセラーもしている著者が相談を受けた様々なケースについて書かれている。
全般的には相談者に対して優しい視点で共感が持てるような内容。そこからどうすれば
脱却できるかというのはやはり簡単には結論を出せないようで現代の問題を浮き彫りに
している感がある。
暗黙のイデオロギーとして次の4つを挙げて、
- 労働至上主義 「働けるなら、男は限界まで、働くのが当然」
- 友達至上主義 「一番大切なのは、友だち。友だちができない人は、人格的な問題がある。」
- 恋愛至上主義 「最も素晴らしいのは恋の体験である」
- 家族至上主義 「家族こそ、最も大切なものである」
こうしたものに押しつぶされないようにするためには結局自分自身の努力や勇気で
なんとかするしかないというような結論だった。
さみしい男 諸富 祥彦 筑摩書房 2002-07 |